がん治療の副作用として知られる「ケモブレイン」。
記憶力や集中力の低下などに多くの方が悩みながらも、日常の中で工夫を重ね、毎日を乗り越えていらっしゃいます。
ここでは、経験者の方からいただいた「具体的な工夫の声」 を、そのままご紹介いたします。
ケモブレインの症状に悩まれている方、支える立場の方にとって、きっと大切なヒントがたくさん詰まっています。
ぜひ最後までご覧ください。
メモや写真などに記録

- メモ・付箋・カレンダー・アラーム
- スマホで写真を撮っておく
- 主治医との会話を録音する
体験談
「忘れる前提で何でもとにかくメモ(手を動かす)。壁掛けカレンダーに予定記入、常に見える化&家族も確認できるように。アラーム等スマホ活用。」
「私は、考えがまとまらなかったり、物忘れが激しかったので、治療前に主治医に聞きたいことを紙にまとめて、読みながら聞きました。また、主治医からの回答もその場で、理解できなかったり、忘れてしまうので録音させてもらいました。」
「ホルモン剤の包装シートにあらかじめ日付を記入する。外来での話やその日のことをすぐに書いておく。大きなスケジュール帳にTo Doをリストアップ。買い物メモは必須。」
「置く場所を決める。メモをとる。予約表などはスマホで撮影。予定はすぐにスマホで管理。薬は飲んだかどうかも忘れるので日付け記載。日常的に使用する鞄は変えない。」
「とにかくポストイット(付箋)を貼りまくる。これは以前介護していた認知症の親族がしていたこと。見習ってやってました。診察などきちんと話さないといけないときは、あらかじめメモを書いて行く。」
「やったこともすぐ忘れてしまうので、仕事ではこれからやることだけでなく、やったことリストもノートに書くようにしてます。」
「予定、やることはその場ですぐスケジュール帳やスマホメモ。やることリスト、持ち物リストは終わったり用意済のものはすぐ消していく。覚えた方がいい情報はスクショ。薬は一つひとつ日付記入。立体駐車場は停めた階数記号スマホ撮影。」
「メモを取る、仕事の記録や予定をこまめにノートへ残すなど『外部記憶媒体に残す』イメージで対処してきました。」
「大事なことは見える所にメモを貼るとかスマホのスケジュールでアラーム機能を使う等で乗り切りました。」
体を動かす・生活習慣の工夫

- 運動(ストレッチ、筋トレ、散歩、ジョギング)
- 生活リズム(朝日を浴びる、睡眠の工夫)
体験談
「朝日をしっかり浴びてゆっくり歩いた日はスッキリ過ごせてたような気がしました!」
「体調が良い時は歩いたりジョギングして血流をよくしたり、汗をかいて習慣を変えないように努めました。」
「散歩はやって良かったです。霧が晴れたのは、思い切って会社を半月休んだ時です!」
「ストレッチと筋トレを地味にやってる。それが1番効く気がする。気がするっていうか、論文あったし。」
「個人的に筋トレはオススメ。タモやリューブリンを始めたときにだるさを感じたけど筋トレ+エクササイズで解消しました。痩せれたし。」
デジタル・AIの活用

- スマホのアラームやリマインダー
- チャット・検索機能の活用
- AIツールによる支援
体験談
「LINEやリモートワーク利用するようになったチャット機能は、過去のトークの検索もできるし、多少細切れに質問しても怒られないし、ありがたい存在。」
「AIにかなり助けられてる。検索や記録ができて心強いです。」
「忘れたくないことはスマホのリマインダー活用+カレンダーに文字を手書きで書いてダブルで記録する。」
「時計を24時間表示にする(スマホ、腕時計など)これ意外と役に立ちました!時間の感覚が鈍くなってしまうので、朝か夜かすぐ把握できるように。薬を飲んだかどうか忘れてしまうので、飲み終わったらスマホのリストにすぐチェック!」
家族や職場との共有

- 家族に声かけをお願い
- 職場で「ケモブレイン」であることを伝える
体験談
「家族や普段接する事が多い知り合いに、できる限り自分がケモブレインである事を認識してもらう。(結果、周囲がサポートしてくれる事も増え、自分のストレスや不安も緩和されました)」
「物忘れが多く自分が一番信じられないので、まわりの人に『忘れっぽいから、遠慮なく確認して!』とお願いしています。」
「家族に話す、これはかなり有効です!かーちやんにおまかせしてたら、ほんまマジであかんよー!って。あとは大事な書類とかも旦那におまかせするようにしました。」
「薬の飲み忘れ対策で、家族に飲んだか声掛けしてもらったり。」
「仕事は続けていましたが、前もって治療中は迷惑をかけることを伝えて理解してもらう事で焦ることなく冷静に受け止められた。」
「職場で同僚が、やることをホワイトボードに全部書いてくれた。」
「出勤して1番最初のタイムカードの打刻を忘れる事が多く、上司に叱責された辛い過去(泣)その後、ケモブレインと言う言葉を知り、上司に話して理解して貰いました。」
「周りにもちょっと忘れやすいと伝えて、声に出して周りの人にも覚えてもらう事も。」
心を軽くする

- 笑いや趣味に触れる
- 脳トレ・クイズ・ゲーム
体験談
「楽しい気分になれなくても、お笑い番組やコメディドラマなどを見ていました。笑えたら最高!」
「やって良かった対策は、本を読む、クイズ番組を観る、脳トレゲームをするなど。」
「簡単で単純な脳トレ的な足し算ゲームはやって良かったです。」
「それほど物忘れとかなかったが、気分が悪くなるとパズルとゲームでごまかしていた。」
「ラジオを聴く、なるべく活字にふれる、脳トレのスマホゲームで脳の活性化を促すようにしてます。」
その他
体験談
「一番の慰めになったのは、『アホになったという自覚は、アホじゃないからするんです』という看護師さんの言葉。めちゃ笑った。笑って楽観的になるのが一番の薬だったかも、と思う。」
「複数の作業を同時進行ができなくなりました。複数の作業は、同時進行せずに、一つひとつやるようにしています。」
「スケジュールは詰め詰めにせず、決して無理しない、焦るとロクなことがない。」
まとめ
ケモブレインは、症状やその度合い、生活への影響は人によって様々です。
しかし、多くの方の体験談からは「工夫の共通点」が多数あることがわかります。
- 外部に記録する(メモ・スマホを活用)
- 体を動かす・生活習慣を整える
- 家族や職場に共有して支え合う
- 笑いや趣味に触れて心を軽くする
そして、「自分だけじゃない」と実感し、「できることがある」ことを知ることで、日々を前向きに過ごしていただけたら嬉しいです。
以前に作成した、まとめ資料も共有させていただきますね。

この記事が、少しでもお役に立てますように。
最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事を書いた人
薬剤師として総合病院に10年間勤務し、がん専門薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師などを取得 / 緩和ケアチーム / 2020年よりがん患者さん向けに情報発信を開始 /現在、在宅医療に従事しながら株式会社Ribbons Baseを運営 / MBA(経営学修士) / 書籍 超リテラシー大全(サンクチュアリ出版)監修協力
にしかわ@がん患者さんのためのパーソナル薬剤師(@Pharma_nishi) / X(旧Twitter)


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